俳句カレンダー鑑賞 平成25年2月
- 俳句カレンダー鑑賞 2月
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平成14年5月号の「青嶺」誌に発表された句。
阿蘇の山焼きといえばやはり阿蘇五岳の連なる外輪山でなければ...と思う。周囲128キロ、高さは北側900m、南側1,100mあり、裾野は福岡・宮崎に至る。その外輪山の山焼きをたまたま見ることが出来たのは、作者にとって全くの偶然。何度か出掛けたこともあったが、その時は天候不順や勢子の都合で中止。もう縁がないとあきらめていたのに...と興奮気味に話された。
3月になると、阿蘇の村々の何処かで畦焼きや小さな野焼きは見ることが出来るが、一ヵ月かけて焼く外輪山こそが山焼きというにふさわしい。
春を呼ぶ山焼きでもある。壮大そのもの。まるで火の竜が裾野より天へ向かって攻め昇るような様子に、私も圧倒された記憶がある。
気迫を込め、真っ向から挑んだこの作品。スケールの大きさに、唯々脱帽させられた。(大捕八重子)大阿蘇の天日冥め山を焼く
岸原清行
公益社団法人俳人協会 俳句文学館502号より