俳句カレンダー鑑賞  平成23年2月

俳句カレンダー鑑賞 2月
紅梅や芝生に挙式後の二人 山崎 ひさを


紅梅や芝生に挙式後の二人  山崎 ひさを
 作者の電波監理委員会時代(昭25年頃)、大きな会議の会場になったのがいつも明治記念館であったと自註にある。挙式後の二人を景色のひとつとして見ている。
 由緒ある結婚式場。紅梅の頃の手入れの行き届いた枯色の芝生の庭は、明るく晴れやかである。一景とはいっても、日常とは異なる時空間と感じられたであろう。
 「芝生」のリアリティ。挙式後の「後」という把握。「二人」と言って、全く甘さを感じさせない。この中七・下五に影となるものは見当たらない。対して季語「紅梅」の濃艶が、影ともいえない影を引きだし、一句を引き締めているように見えてくる。作者の洞察力が、一瞬にして一句を成している。
 第5句集『続百人町』所収。平成元年作。
(井越 芳子)
 社団法人俳人協会 俳句文学館478号より