今日の一句:2026年03月
- 三月一日
雛の瞳や海へ出てゆく鳥のこゑ 鳥居おさむ あの瞳は内へ向いているのか。それとも外の生命を恋うているのか。
「鳥居おさむ集」
自註現代俳句シリーズ七(三五)
- 三月二日
雛あられちよつと揺すりて飾りけり 山尾玉藻 私の為の雛人形はついに買ってもらえなかった。鴻池家から頂いた狩野何某かの雛の軸が掛けられ、私の不満は募る一方だった。
「山尾玉藻集」
自註現代俳句シリーズ一〇(三一)
- 三月三日
雛の夜とつても光る星見つけ 菖蒲あや お恥しい話であるが、私も人並に雛人形は買って貰ったのだけれど、それはついに父の質草として流れてしまった。この星が私の雛人形かも知れぬ。
「菖蒲あや集」
自註現代俳句シリーズ二(一九)
