第12回 彼岸の気温と台風

春分(三月二十一日)と秋分(九月二十三日)の東京の日最高気温(午後二から三時ごろの気温)と日最低気温(午前六時ごろの気温)の平年値を比べると、春分は日最高気温一三・三度、日最低気温五・五度、秋分は日最高温度二五・二度で日最低温度は一九・二度。「寒さの果て」の春彼岸と「暑さの果て」の秋彼岸とでは、気温は随分違う。春分と同じ気温が秋になって何時現れるかをしらべてみると十二月上旬で、このころが「寒さの始まり」、秋分の気温を夏の前にさがすと六月中頃で、このころが「暑さの始まり」といえる。春の彼岸の挨拶は「日中はようやく暖かになりました」で、秋の彼岸は「朝晩はようやく涼しくなりました」。そういえば諺にも「頃は三月、夜は九月」とある。これは旧暦だが三月は昼間、九月は夜が気持ちのよい気温になるというのである。
 二百二十日(九月十一日)を「荒れじまい」といい、無事ならば翌日は農作業を休んで「無難正月」を祝った。しかし、まだ油断できず、「秋の彼岸は農家の厄日」といわれてきた。彼岸過ぎの猛烈台風に、「魔の九月二十六日」に襲来した洞爺丸台風(一九五四、死者・行方不明一七六一人)、狩野川台風(五八年、一二六九人)、伊勢湾台風(五九年、五〇九八人)などがある。