第47回全国俳句大会
大会賞
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牛の糶雪蹴散らして始まれり 栃木 大高松竹 茎石の重さ一度も母言はず 神奈川 小野克雄 臼一つ売れて青空年の市 福井 中川志帆 農継ぎて先づ猪垣を繕へり 京都 高橋真砂 白地着て晩節といふ重きもの 栃木 氏家亨 枯菊を焚くべく土を掃きにけり 埼玉 角達朗 泣初の大きな声を褒めにけり 東京 坂田かほる 鼻輪まだ知らぬ牛の子きんぽうげ 新潟 星野八郎 秀逸賞
大声で叱る母ゐてあたたかし 山形 小野誠一 紙風船落つる軽さをまた打てり 埼玉 原槙恭子 亀鳴くを待ち続けゐて老いにけり 千葉 小俣たか子 夫死後の大きな机鳥渡る 東京 上原恒子 ねんねこの赤子足より笑ひ出す 神奈川 多田武峰 今宵聞く音色は吾子か祭笛 山梨 奈良喜代子 先走る野火幾度も打たれけり 東京 渡辺幸子 海峡のまぶしくなりて牧開き 岐阜 水野雅子 籠の蝉はるかな蝉へ鳴きにけり 愛知 竹村甲子雄 流し雛緋の一点となりゆけり 鳥取 岩水節子 種袋振つてみどり子あやしけり 山口 川村とほる 頭より高く卒業証書受く 福岡 吉田昭二 紙雛まなこ入れれば笑ひけり 福岡 樋口みのぶ 不発弾残る島なり青き踏む 沖縄 石田慶子 選者特選句 選者50音順
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青柳志解樹特選 町あげて海亀の子を見守りぬ 千葉 河合大拙 まつさらな雪の棚田となりにけり 島根 小林梨花 頭より高く卒業証書受く 福岡 吉田昭二 赤松蕙子特選 永き日の駅長室に潮暦 奈良 長野眞久 捨てしいのち拾ひしいのち遠桜 香川 山本都風 振り出しにもどる看取りや一月尽 海外 ストリッチ定子 有馬朗人特選 近道の畦をひよいひよい報恩講 山口 乃美隆子 白地着て晩節といふ重きもの 栃木 氏家亨 臼一つ売れて青空年の市 福井 中川志帆 茨木和生特選 泣初の大きな声を褒めにけり 東京 坂田かほる 火の神に詣でて風邪をもらひけり 三重 横山茂子 淋しくて妻の冬着をきて歩く 愛知 早坂貞三 今瀬剛一特選 口大きことは健康燕の子 東京 遠藤睦子 鬼の豆ころがる昔大家族 富山 小坂優美子 泥葱を年始の嫁に持たせけり 愛知 有田文 江川虹村特選 神主の歩幅でくぐる茅の輪かな 大阪 松本信子 白地着て晩節といふ重きもの 栃木 氏家亨 冬至まで土間をごろごろして南瓜 京都 吉田藤治 大串 章特選 紙風船落つる軽さをまた打てり 埼玉 原槙恭子 落第の子へ飼犬の尾を振れる 東京 山下まさき 忌に集ふうからの中の合格子 静岡 吉川清江 岡田日郎特選 着水の勢ひに鴨進みけり 茨城 望月澄子 先走る野火幾度も打たれけり 東京 渡辺幸子 山畑の太葱猿に食はれけり 大阪 木村雅子 岡本眸特選 子規庵のくさぐさ匂ふ遅日かな 埼玉 石垣燁潮 今宵聞く音色は吾子か祭笛 山梨 奈良喜代子 炭焼の孤りの谿となりにけり 長崎 縣恒則< 小川濤美子特選 早蕨の握り拳を風が解く 愛媛 丸山シゲ子 譲りたる船に凭れて日向ぼこ 福井 伊藤秀雄 針通す糸に口紅春の雷 奈良 柴田香女 小原啄葉特選 山古志の大きく傾ぐ氷柱かな 新潟/TD> 関川幸榮 日輪は一人にひとつ日向ぼこ 兵庫 中本勝利 鮭を打つ音に遅れて水しぶき 東京 綱島清 鍵和田秞子特選 幼帝もおはすと雛流しけり 高知 内田俊弘 蛇も鬼も出でて目出度し初神楽 神奈川 岡田貞二 大杉に蝉鳴き出せば征きし夫よ 静岡 佐々木ゆり 神尾久美子特選 鞍馬路の走り根太し花の冷 広島 坂本たか子 扁額の裏より巣立ち雀の子 神奈川 小野いずみ 神蔵器特選 涅槃絵の臥床の高さにありにけり 茨城 佐川あけみ 雛の間を通り仏間の灯を点す 神奈川 吉澤恵美子 一水の春の曙とどきたり 長野 井出庚子 倉田紘文特選 涅槃図の裾にわが影ありにけり 三重 武田巨子 朝顔を咲かせ無遅刻無欠勤 大阪 鈴木幸一 栗田やすし特選 牛の糶雪蹴散らして始まれり 栃木 大高松竹 鮑海女磯着の胸を合はせけり 東京 林たかし 古賀まり子特選 囀の鎮魂歌とす殉教址 兵庫 本村幸子 腰紐をくはへしよりの花衣 福岡 隅可須奈 惜春やうなづくだけの母とゐて 大阪 浦中美智子 後藤比奈夫特選 一瞬に翡翠水を砕きけり 鳥取 増原鏡山 ねんねこの赤子足より笑ひ出す 神奈川 多田武峰 斎藤夏風特選 籠の蝉はるかな蝉へ鳴きにけり 愛知 竹村甲子雄 地蔵盆ともだち増えて終りけり 京都 刈米育子 白象を濡らす雨あし花まつり 東京 生江通子 鈴木貞雄特選 牛の糶雪蹴散らして始まれり 栃木 大高松竹 祭髪ほぐし看取の灯にまみゆ 東京 木下蘇陽 今宵聞く音色は吾子か祭笛 山梨 奈良喜代子 鈴木鷹夫特選 霊泉を遺し一村廃れけり 秋田 小林呼渓 籠の蝉はるかな蝉へ鳴きにけり 愛知 竹村甲子雄 雲水の霞の人となりゆけり 大阪 太田羅漢子 鷹羽狩行特選 雛の間を通り仏間の灯を点す 神奈川 吉澤恵美子 面とりて子を抱き上ぐる里神楽 静岡 中山菊枝 不発弾残る島なり青き踏む 沖縄 石田慶子 棚山波朗特選 風を読み風を掴みて鷹渡る 愛知 龍川郁子 翡翠の打ちたる水の光りけり 広島 坂本たか子 正門も裏門も花吹雪かな 広島 長谷川明子 辻田克巳特選 妻の住む老人ホーム小鳥来る 長野 高橋八男 百年は短しと言ひ杉を植う 大阪 森田幸夫 津田清子特選 夜遅く戻りて雛に見つめらる 東京 衣川洋子 自画像を彫りて卒業記念とす 兵庫 土居三保 炭焼の煙は祖父のにほひせり 愛知 牧野一古 西嶋あさ子特選 合掌でこたふる母よ初ざくら 東京 小宮久実< 屑金魚くづのいのちを全うす 岡山 丸山敏幸 被爆樹の若葉雀をこぼしけり 愛知 都合ナルミ 野見山ひふみ特選 寒鰤や北陸日和はやくづれ 埼玉 石原筑波 天の風捉へし凧を子に返す 神奈川 遠藤しげる 海女桶の底まで乾く秋彼岸 埼玉 角達朗 星野恒彦特選 よく回るよく笑ふ子の風車 宮城 関根通紀 海流の紺深みたり今年米 茨城 五十嵐暢子 花ひらく気配の中の校舎かな 鳥取 矢部道男 星野麥丘人特選 茎石の重さ一度も母言はず 神奈川 小野克雄 ストーブに妻の病衣を干しにけり 福岡 松尾信也 日輪は一つ向日葵百万本 大阪 森下功深 堀口星眠特選 子は星に妻は蛍となりにけり 愛知 与玖法破来 真向へば迷ひのあらず桃摘花 和歌山 綾ひろ子 白象を濡らす雨あし花まつり 東京 生江通子 松崎鉄之介特選 蟇控力士のごと居りぬ< 群馬 若月勝男 泣初の大きな声を褒めにけり 東京 坂田かほる 算数の教材樫の実の出番 秋田 佐藤景心 水原春郎特選 十薬を干してこの世に長居する 宮城 武山せつ子 春泥を来て春泥の橋わたる 大阪 西浦昭美 大根を貸し借りもして湯治宿 東京 竹下竹水 松崎鉄之介特選 蟇控力士のごと居りぬ< 群馬 若月勝男 泣初の大きな声を褒めにけり 東京 坂田かほる 算数の教材樫の実の出番 秋田 佐藤景心 水原春郎特選 十薬を干してこの世に長居する 宮城 武山せつ子 春泥を来て春泥の橋わたる 大阪 西浦昭美 大根を貸し借りもして湯治宿 東京 竹下竹水 皆川盤水特選 春祭雑木林を水流れ 茨城 岸三恵 若鮎の遡るとき淵深む 神奈川 成田紫野 茎石の重さ一度も母言はず 神奈川 小野克雄 宮津昭彦特選 紙雛まなこ入れれば笑ひけり 福岡 樋口みのぶ 目借り時活字離れの人ばかり 東京 鷹地鍵 種袋振つてみどり子あやしけり 山口 川村とほる 村田 脩特選 言葉なき祈りのごとし雪の降る 千葉 武田千津 観音の視野のときどき雀の子 山口 谷口文子 住み古りし家の温もり障子張る 福島< 馬場隆堂 森田 峠特選 旅の夜の盃を置く鰤起し 埼玉 杉森与志生 片減りの靴とも別れ卒業す 愛知 岡田游子 まさをなる智恵子の空の帰燕かな 広島 岡田たか子 山崎ひさを特選 鼻輪まだ知らぬ牛の子きんぽうげ 新潟 星野八郎 艦橋の夫へ挙手礼雲の峰 京都 浅奥尚司 夕桜文箱へもどす母の文 静岡 村上尚子 山田みづえ特選 走馬灯うしろにくらき日本海 神奈川 上木彙葉 流し雛緋の一点となりゆけり 鳥取 岩水節子 桃の花はいと言ふ声まつすぐに 埼玉 鎌田洋子 蓬田紀枝子特選 枯菊を焚くべく土を掃きにけり 埼玉 寶月壽子 種袋振つてみどり子あやしけり 山口 川村とほる 渡辺恭子特選 余生てふ言葉はきらひ桜餅 北海道 杉本多恵子 冬の鵙晴れて無職となりにけり 埼玉 小松崎幸子
平成20年9月17日(水)、有楽町朝日ホールで開かれ、600人近くが参集しました。
大会賞ほか受賞作は以下の通りです。
当日句の受賞作はこちらをご覧ください。
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