第1回 青空の濃さと高さ

濃さの違う青色の見本カードと青空の色を見比べて濃淡を測った東京と富士山の麓の船津での観測によれば、船津の方がはるかに濃かった。濃い順に季節を並べると、船津は冬、秋、春、夏、東京は秋、冬、春、夏の順だった。

空が青いのは大気(地球を取り巻く空気)の分子が、七色の太陽光線のうち、波長の短い青系統の光を特に強く四方八方に散らばらせ、それが人の目に入るからである。水蒸気やちり塵が多いと、波長の長い他の色の光も散乱するので、白味が多くなる。春、夏の空の方が白っぽいのは、そのためである。地平線の近くの空が白っぽく見えるのも同様の理由による。

「不来方(こずかた)のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心」(石川啄木)。見上げる青空には無限の奥行きが感じられる。しかし青空の高さは意外に低い。大気は上空にいくほど薄くなり、約三〇kmの高さでは密度は地上の百分の一、百kmの高さでは百万分の一。光はほとんど散乱されず空は暗黒になる。

 コンパスで半径一〇cmの円を描き、それを地球とすれば、雨、雪、虹、雲、青空などの天気現象が見られる大気の濃密な部分の厚さは、鉛筆の幅にしかならない。だから初めて宇宙空間に飛び出した旧ソ連のガガーリンさんは「地球は青かった」と言った。