創立50周年 第50回全国俳句大会 一般の部
開催日:平成23年9月6日 於:有楽町朝日ホール
【大会賞】
広島へ集まつて来る夏帽子 神奈川 田村和美
遠泳の両手だらりと上がりくる 神奈川 吉田ひろし
川よりも草にさざなみ送り盆 埼玉 黒澤あき緒
祭獅子田の土つけて戻りけり 北海道 板本敦子
村捨てぬ者が揃ひて牡丹鍋 愛媛 石丸千恵子
【秀逸賞】
津軽より転校の子の独楽強し 青森 野沢しの武
味噌樽にみそ山尖る余寒かな 茨城 杉山千恵子
畔塗のまだ濡れてゐる夕日かな 千葉 野口桐花
鳥海山の影の鎮もる植田かな 東京 幸喜美恵子
緋牡丹の百花にまさる白牡丹 東京 新井洋子
遠足の列みささぎを素通りす 東京 水野李村
帽子一つ玄関に掛け冬ごもり 東京 正富鼓子
良く笑ふ嫁来て大根咲きにけり 愛知 鱸 鉱志
【選者選】
青柳志解樹特選
凍蝶の触るれば翅を動かしぬ 神奈川 金川眞里子
石臼を洗ふ八十八夜かな 奈良 渡辺政子
有馬朗人特選
朝市の光あつめて初鰹 東京 浅野照子
早起きの筍村の法然忌 大阪 広岡育子
染め卵庭木に下げて村しづか 海外 鈴木波江
茨木和生特選
遠泳の両手だらりと上がりくる 神奈川 吉田ひろし
ふらここを漕いで答へぬつもりらし 大阪 東 徹
村捨てぬ者が揃ひて牡丹鍋 愛媛 石丸千恵子
今瀬剛一特選
流されて薄氷風となりゆけり 千葉 鶴田ちしほ
みちのくの腕より太き軒氷柱 静岡 宮川喜代子
大串 章特選
春耕や声かけ合ひし妻は亡き 長野 高橋八男
宝物展出でて大和の柿赤し 大阪 岸本久栄
鶏合せ老人ばかりあつまりぬ 高知 亀井雉子男
屯田兵たりし祖の墓鳥帰る 北海道 墓田まさこ
岡田日郎特選
秋出水路上に鯉の游ぎをり 埼玉 石原筑波
冬鳥の塒しづまり月のぼる 東京 小野薫養
引き潮の砂こまやかに桜貝 奈良 松村幸代
小川濤美子特選
春満月津波の寄せし海照らす 神奈川 小沢初江
介護士へ母の合掌夕涼し 愛知 山本光江
小澤 實特選
良く笑ふ嫁来て大根咲きにけり 愛知 鱸 鉱志
春の灯にかざしソムリエグラス拭く 大阪 土合藍乃
小原啄葉特選
初日の出人間それに従ひぬ 兵庫 橋本正幸
春寒し捨てねばならぬ牛乳搾る 広島 山本和江
鍵和田秞子特選
肩に手に藤散る午後の懈怠かな 東京 松井和恵
羽搏きて己を醒ます浮寝鳥 山梨 中村照子
抑留の飢餓しみじみと蓬摘む 香川 光藤篠之
柏原眠雨特選
祭獅子田の土つけて戻りけり 北海道 板本敦子
磁気カード押し戻さるる多喜二の忌 大阪 谷口みどり
片山由美子特選
もてなしの灰うつくしき春炉かな 岐阜 小林紀代子
春愁や病衣にもある身八つ口 兵庫 南波保子
神尾久美子特選
村挙げて一戸一株楮植う 兵庫 山尾カツヨ
祭獅子田の土つけて戻りけり 北海道 板本敦子
神蔵 器特選
畔塗のまだ濡れてゐる夕日かな 千葉 野口桐花
緋牡丹の百花にまさる白牡丹 東京 新井洋子
倉田紘文特選
藤の房揺れて大地の揺れにけり 宮城 長沼敏夫
そのうちに力を込めて鉦叩 兵庫 今井嘉子
栗田やすし特選
羽抜鶏影より速く走りけり 千葉 石山幸月
神事待つ漁師の黒き夏羽織 神奈川 堀田和歌子
黒田杏子特選
集まつてやがて桜に歩み出す 千葉 三田村伸子
灯を消せば鑑真そこに寒怒濤 東京 菅原 悟
帽子一つ玄関に掛け冬ごもり 東京 正富鼓子
古賀まり子特選
緋牡丹の百花にまさる白牡丹 東京 新井洋子
大地震や湾にかたよる春の星 青森 小泉静子
あたたかや母の歩幅の杖の音 福井 吉田富美子
後藤比奈夫特選
年寄りにみんなやさしや万愚節 東京 西堀貞子
茎の石妻にもありし力瘤 大阪 岡村英彦
斎藤夏風特選
川よりも草にさざなみ送り盆 埼玉 黒澤あき緒
ペン胼胝の健やかにあり生身魂 大阪 鈴木貞雄
佐川広治特選
空も地も水も汚れて鳥帰る 千葉 藤岡貞夫
地震の地の空の青さよ鯉幟 神奈川 安室敏江
白鳥は瓦礫の空を帰りけり 新潟 星野八郎
鈴木貞雄特選
炙り子に伏せる作務衣や春霙 東京 島貫和子
桃咲くや祖母の伝ふる津浪の忌 静岡 間渕うめ子
嬰眠る祭太鼓を浴びながら 京都 徳永真弓
鈴木鷹夫特選
目をつむることの寧らぎ残る虫 福島 角田佳代
駅の灯を残し雁木の街眠る 東京 平野無石
広島へ集まつて来る夏帽子 神奈川 田村和美
鷹羽狩行特選
筆勢の怒濤のごとき吉書かな 東京 千葉日出代
そのうちに力を込めて鉦叩 兵庫 今井嘉子
風邪の子に天使の役は空けてあり 千葉 小俣たか子
棚山波朗特選
鳥海山の影の鎮もる植田かな 東京 幸喜美恵子
涅槃図に百畳の冷え集まれる 大阪 飯塚やす子
辻田克巳特選
紙風船大きく突けば高く飛ぶ 東京 能美昌二郎
スケートの少年父を離れけり 滋賀 前田攝子
おとうとも同じいろ欲しソーダ水 和歌山 馬部和子
七田谷まりうす特選
猫柳水にも空の深さあり 栃木 飯塚久美子
秩父嶺に向かひてうたふ卒業歌 埼玉 松本千冬
春深し行李に「師範」ちちの文字 京都 向井久子
西嶋あさ子特選
墓守るは末の弟鳥雲に 東京 伊藤桂舟
遠泳の両手だらりと上がりくる 神奈川 吉田ひろし
初山河父母の墓より見はるかす 徳島 福島信子
西村和子特選
雨乞を信じてゐるにあらねども 秋田 佐々木踏青子
川よりも草にさざなみ送り盆 埼玉 黒澤あき緒
鳥海山の影の鎮もる植田かな 東京 幸喜美恵子
根岸善雄特選
地震酔ひ身より離れず春の果 茨城 吉田政江
流燈のひとつとなりし海の闇 福岡 江島藤代
野見山ひふみ特選
地震のあと仔牛生まるる雪解村 長野 田辺海樹
去る師へと渾身の旗島の春 神奈川 藤生久恵
大釜の底見えてきて大根焚 大阪 森本成子
星野恒彦特選
花を見て花を見てゐぬ余震なほ 栃木 井上薫子
朝市の光あつめて初鰹 東京 浅野照子
遠足の列みささぎを素通りす 東京 水野李村
星野麥丘人特選
遠足の列みささぎを素通りす 東京 水野李村
父親の船に乗るてふ落第子 神奈川 森清信子
実篤の絵にそつくりの南瓜かな 徳島 長山敦彦
正木ゆう子特選
ざわざわと二等船室明易し 東京 藤陵紫泡
卒寿なり春宵一刻づつ愛し 神奈川 遠藤けんじ
向日葵に向日葵の種重たかり 広島 槇田清子
松崎鉄之介特選
夫永遠に被爆者名簿広島忌 大分 渡辺笑子
津軽より転校の子の独楽強し 青森 野沢しの武
水原春郎特選
本郷に古書を漁るや裘 広島 坂本たか子
島人の血はかくも濃し花梯梧 東京 平山みどり
春泥の次の一歩を迷ひけり 神奈川 堤 宗春
森田峠特選
祭獅子田の土つけて戻りけり 北海道 板本敦子
足跡の詮議狸と決まりけり 青森 小林凡石
太郎杉次郎杉へと初日さす 東京 押尾きよ美
山崎ひさを特選
猪撃ちの瓜坊育てをりしかな 神奈川 千葉年子
呼びあうて倶利伽羅峠霧の中 富山 浅野義信
山本洋子特選
あすあると花種蒔いてをりにけり 茨城 横島李邨
広島へ集まつて来る夏帽子 神奈川 田村和美
深秋や本の栞に拝観券 兵庫 田中 愛子
蓬紀枝子特選
花守のすこし離れて見てゐたり 千葉 谷口摩耶
リボンのみ違ふ双子や春の風 東京 繁山邑子
渡辺恭子特選
渋団扇日本の風をくれにけり 神奈川 熊沢雅晴
牡丹焚く煙の中に母おはす 山口 宮崎吉香
【当日句会】
大高霧海特選
追悼の花火を重ね空深し 薄井年子
鉦叩荒ぶる国を想ふとき 梶本きくよ
子規庵の秋海棠や律哀し 宇野かよ子
片山由美子特選
おとうとを叱る姉ゐて地蔵盆 井出千二
塵芥車去りて日日草の赤 三浦まり子
飛ぶ鳥を雲の追ひゆく厄日前 衣川洋子
鈴木しげを特選
おとうとを叱る姉ゐて地蔵盆 井出千二
かど屋てふ角の豆腐屋赤とんぼ 藤岡美恵子
同じことまた問ひかけて墓洗ふ 志磨 泉
西村和子特選
先頭のよく立ち止まる花野かな 土肥あき子
かなかなの声さざ波をひろげゆく 棗 美紗子
小鳥来る音の明るき洋食器 鶴田ちしほ
松尾隆信特選
水蜜桃熟るるがままと伊達の友 佐藤とみお
小鳥来る音の明るき洋食器 鶴田ちしほ
復興の先駆け勇む侫武多かな 生田高子
山崎ひさを特選
燐寸箱に真砂女の一句初さんま 宮田慶孝
兜むし子は七匹の名付親 福田 肇
台風過ぎ母の受賞につきそいて 生島陽子
