第45回関西俳句大会
日時:平成22年5月22日
於:大阪・淀屋橋 朝日生命ホール
朝日新聞社賞・関西俳句大会賞
膝ひとつ詰めて始まる十夜かな 横山茂子
関西俳句大賞
涅槃図に風の嘆きの加はりぬ 小畑晴子
濯ぎては水叩きては楮晒す 山内繭彦
臘梅の香のかたまりの中を過ぐ 関くにとし
一斉に尻向けて来る田植かな 眞砂卓三
海鼠みな受難のかたちしてをりぬ 山田絵里
焼いもの車第九を流しをり 三津木俊幸
茨木和生特選
五千歩を一万歩にし青き踏む 橋本重夫
一斉に尻向けて来る田植かな 眞砂卓三
一年生ひかりを背負ふランドセル 鈴木憲一
大石悦子特選
涅槃図に風の嘆きの加はりぬ 小畑晴子
柚子湯から柚子をはなさぬ子を受くる 塩谷一雄
甚平の似合ひ失ふものもなく 鈴木幸一
森田 峠特選
藍甕の今は使はずつづれさせ 古賀勇理央
高き木の高きところに鳥の恋 富井惠子
膝ひとつ詰めて始まる十夜かな 横山茂子
松崎鉄之介特選
種売の一押しの種買ひにけり 平石和美
虎挟み土間にかけあり猟期果つ 原澤昇司
罪な嘘他愛ない嘘日向ぼこ 豊田正博
山尾玉藻特選
朴落葉重なつてゐて重ならず 安部和子
結ばれて漲るちから掛柳 武友朋子
山椒魚目玉動かすまで待てり 西山満寿
宮津昭彦特選
寒さとは塊で来るものなるや 大嶋正和
軸の絵に子の日の遊び偲びけり 安藤れい
棟の実揺れて青空賑はへり 塩出眞一
後藤比奈夫特選
旅立たすやうに山火を付け始む 菅恵子
羽のあることを忘れし浮寝鳥 平万紀子
鬼打の面も国宝法隆寺 林周作
大峯あきら特選
臘梅の香のかたまりの中を過ぐ 請関くにとし
じやがいもの花はてつぺん雨盛ん 内田茂
星野麦丘人特選
白湯飲ますことも介護や春隣 權守勝一
注連貰六戸の村ぞ犬も来よ 福田志村
空蝉の縋りつきたる曽良の墓 古賀勇理央
水原春郎特選
大鮪一直線に捌きけり 縣恒則
つちふるや古都は郁夫の色をして 大島幸男
雪女玉三郎のファンと言ふ 山下まさき
西村和子特選
風よりもひかりに乗りて雪螢 竹中弘明
破芭蕉うはなり打ちに遭ひたるや 近藤昶子
暮れてなほ人を帰さず花の山 中村勝行
山崎ひさを特選
白寿なる母の背流す初湯かな 清水多恵子
猪肉の裾分けありし駐在所 小阪南枝
枕よりはみ出してゐる宝船 福本せつこ
金久美智子特選
名月や少し風ある関ケ原 梅田郁子
初凪や正時に連絡船が発ち 草地明子
彼方まで日を返しゐる干潟かな 草地明子
角光雄特選
見上げれば誰にでもある春の空 久保壽子
子供しか知らぬ道あり木の芽風 涼野海音
父の書斎冬の森のやうな場所 山田絵里
辻田克巳特選
すずめ騒ぎに女らの御慶かな 中村未有
焼いもの車第九を流しをり 三津木俊幸
水遊びする子をじつと見てゐる子 織戸ヒロ
岡田日郎特選
みづうみの晴るる日胡桃落ちにけり 安部和子
鍬始海に白波立ち来たり 大久保和子
薄氷のぶつかり合ひて流れけり 西本睦子
茂惠一郎特選
春の雪糶に出す牛濡らしけり 秋山幸子
膝ひとつ詰めて始まる十夜かな 横山茂子
牡蛎割女ひたすら牡蛎を打ちて老ゆ 佐々木喜久子
田島和生特選
ベルリンの名残の壁を蟻の這ふ 清水あつ子
濯ぎては水叩きては楮晒す 高瀬博子
半裂の砂に歩めば砂の色 山内繭彦
塩川雄三特選
口重き漢なりけり薬喰 光田專太郎
鷽替の連れとはぐれてしまひけり 藤本俊子
春時雨朱を深めたる朱雀門 塚谷誠
有馬朗人特選
ひと啜りごとに念仏十夜粥 蔵田ひろし
海鼠みな受難のかたちしてをりぬ 山田絵里
依代の竹の真青に春の雪 中條弘子
鷹羽狩行特選
山水の音より年の改まる 國田欽也
ふらここを漕ぎて夜空を揺らしけり 神原廣子
濯ぎては水叩きては楮晒す 高瀬博子
品川鈴子特選
蝶生れて糸屑ほどの足力 森径子
つべこべを形にすれば煙茸 井上京美
一握りの水着をつけて波に浮く 江戸としえ
橋本美代子特選
涅槃図に風の嘆きの加はりぬ 小畑晴子
父の書斎冬の森のやうな場所 山田絵里
子供しか知らぬ道あり木の芽風 涼野海音
岩城久治特選
チャイム鳴りおしくらまんぢゆう潰れけり 常澤俶子
玄関へ歪まぬやうに雪を掻く 矢野ゆきえ
たはぶれて抱きあげられてひよいと春 神原廣子
下村梅子特選
狐火の闇深ければ青かりし 小畑晴子
雪深き方へ方へと雪女 若村愛子
楼蘭の空へと続く冬銀河 塚谷誠
小路紫峡特選
看護の灯喪の灯となりて寒夜更く 中本英治
暮し向き質素に燈火親しめり 清永弘子
干樽の柾目の艶や味噌を搗く 讓尾三枝子
津田清子特選
寒ければ寒がりだつた父想ふ 橋本絹子
なまはげの化粧のはげてゐて怖し 湯山博かず
嫌なことみんな忘れて毛糸編み 松村晋
三村純也特選
湯加減を聞かれてゐたり干菜風呂 松井トシ
乗り出して残り戎の笹を売る 高野清風
着膨れを恐れぬ齢となりにけり 長谷川紀美子
鈴木鷹夫特選
滴いま早打ちとなる氷柱かな 大西めぐみ
水口を切れば飛び出す鯰かな 山内繭彦
宝船敷きて枕の浮くごとし 金森教子
山本洋子特選
一斉に尻向けて来る田植かな 眞砂卓三
臘梅の香のかたまりの中を過ぐ 請関くにとし
荒波の低きところに寒の月 大島幸男
棚山波朗特選
風よりもひかりに乗りて雪螢 竹中弘明
寒鯉の反転水を動かさず 木村良昭
